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墓地の転売はできるのか?墓地の種類や費用など基礎知識についても詳しく解説!

終活・準備,葬儀後,お墓・墓地


家族が亡くなり墓地を相続する、または自分用に墓地の購入を検討する機会は、人生の中でそこまで多くはないでしょう。中には、さまざまな理由から墓地を手放す際に、墓地の転売ができるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。この記事では、墓地の転売や所有権について解説します。墓地の種類などの基礎知識についても紹介するので、参考にしてください。


墓地の転売はできない

墓地の購入後、不要になっても転売はできません。墓地の購入は、墓地区画の永代使用権を獲得したことを意味します。あくまでも、墓地を借りる権利であり、墓地の所有権ではないからです。

墓地の土地の所有権は、購入後も管理者が持っているため、勝手な譲渡や転売は禁じられています。契約書の多くには、「永代使用権を第3者に譲渡、転売することを禁止する」と記載されているのが普通です。

不要になった墓地は転売するのではなく返却する

さまざまな理由から墓地の管理ができなくなり、墓じまいする人は少なくありません。墓じまいをする際は、永代使用権を解約して権利を管理者へ返却することになります。

また、墓石の解体や撤去、使用した墓地を更地にする作業が必要になります。そのため、墓じまいの費用は、合計50~100万ほどかかるといわれています。

墓地の相続はできる

墓地の転売は禁じられていますが、親族への相続は多くの墓地で認められています。ただし、相続する親族の範囲が規定されていることもあります。また、海外へ居住する、子供がいないなどの理由から、血縁関係のない人へ相続が認められる場合もあります。相続する際には、事前に管理者へ相談すると安心です。

永代使用料は戻らない

墓地の永代使用権を得るには、永代使用料を支払います。敷金礼金とは異なるため、一度支払うと、ほとんどは返ってきません。墓石を建てずに解約しても、永代使用料が返還されることはないといえるでしょう。墓地の購入する際には、契約前によく検討して、親族と話し合いをすることも大切です。

不要になった墓石の売却は難しい

法律では、不要になった墓石の売却は禁じられていません。しかし、一度他の家族が使用した墓石を購入することに抵抗感のある人は多いといえるでしょう。また、墓石解体や移動、墓石に掘られた文字の削り落としや研磨など、再度利用するためには、非常に高額な費用がかかります。再利用された墓石の受け入れを許可していない墓地や霊園も多くあります。

墓地の購入とは永代使用権を得ること

「墓地の購入=墓地の区画を借りて使用する権利を購入する」ことで、墓地の土地自体を購入することではありません。この権利は「永代使用権」「墓地使用権」などと呼ばれて、ほとんどは親族などに相続できます。墓地の土地は、墓地や霊園の管理者に所有権があり、勝手に譲る・転売するなどはできません。

永代使用権を得るために永代使用料を支払う

墓地を使用するには、管理者へ永代使用料を支払う必要があります。永代使用料を支払うと、墓地の使用許可書が発行されて、墓地の使用が認められます。永代使用料とは別に、墓地や霊園の維持には、毎年支払う維持費用もあり、施設の充実性やサービスにより価格は異なります。

墓地や墓石の購入には基礎知識が大切

墓地や墓石を購入する際には、検討事項が多く、判断に迷う人もいます。失敗しないためにも、墓地や墓石の基礎知識を得てから購入しましょう。また、墓地への交通アクセスや園内の環境、お墓の種類などは検討するうえで大切なポイントです。詳しくは、次で解説します。

墓地の種類とは

墓地には、「公営墓地」「民営霊園」「寺院墓地」「共同墓地」「みなし墓地」があります。
墓地を購入するには、墓地の基本的な知識を得て、しっかり検討してから購入しましょう。以下で、各墓地について、詳しく解説します。

公営墓地

公営墓地は、自治体が運営して、多くは抽選で使用者を決めています。年間管理費や面積当たりの使用料が安く、自治体が運営するため永続性の信頼も、人気の理由です。ただし、基本的にその地域に住んでいることが条件になり、生前の墓地購入を制限している墓地もあります。公営墓地の年間管理料は、1,000円未満~5,000円程度が多いようです。

民営霊園

民営霊園は、宗教法人や社団法人が母体となり、委託を受けた民間企業が運営しています。
宗教や檀家制度もほとんどありません。申し込みに制限はなく、区画が空いていればいつでも申し込めるため、生前の墓地購入も可能です。墓石のデザインなども自由ですが、多くは「指定石材店制度」が設けられています。年間管理料の相場は、5,000円~15,000円程度です。

寺院墓地

寺院墓地とは、寺院が運営する墓地のことで、多くは境内や隣接する土地にあります。寺院墓地を利用するには檀家になる必要がありますが、葬儀や法事などを寺院にお願いできます。寺院によっては、合同法要の参加が必要な場合もあるでしょう。年間管理料は、10,000円~40,000円が相場ですが、寄付やお布施なども含まれている場合もあります。

共同墓地

昔ながらの共同墓地は各地域にあり、地域の墓地委員会が管理しています。古くからその地域にあるため永続性はありますが、設備などはあまり充実していなく、年間管理費は安いといえます。

近年の共同墓地は、血縁に関係なく複数人が一緒に納骨される墓地のことで、「合祀墓」「合葬墓」とも呼ばれています。年間管理費は数千円~10,000円程度が相場で、かからないケースもあります。

みなし墓地

みなし墓地は、昭和23年に墓地・埋葬に関する法律ができる前に作られた墓地を指し、1000年以上前にできたものもあります。多くのみなし墓地は、管理者がはっきりせず、納骨や改葬の許可が取れない問題が起きがちです。また、みなし墓地に今後新しくお墓を建てる際には、都道府県知事の許可が必要です。

お墓の種類

墓地に建てるお墓にも、さまざまな種類があります。ここでは、7つのお墓について紹介します。

家墓

家墓とは、先祖代々受け継がれている形式のお墓で、累代墓とも呼ばれています。墓石には「〇〇家の墓」、裏面や横には故人の戒名や俗名などが刻まれます。家墓は代々受け継がれていきますが、妻の親族や嫁いだ娘などの遺骨を納めることは、多くありません。

両家墓

両家墓とは、1つの区画に夫婦両家のお墓を建てる、または1つの墓石に両家の苗字を刻んで供養するお墓のことです。1人息子や1人娘が増えて、お墓を受け継ぐ人が少ないなどの理由から選ぶ人が増えています。

個人墓

個人墓は、1人だけを埋葬するお墓のことで、生前に活躍した著名人や有名人に多いといえます。建てる場所はさまざまで、家墓と同じ区画の場合もあれば、まったく異なる場所に建てるケースもあります。近年では、自由な形の墓石を建てる人も多いようです。

夫婦墓

夫婦墓は、お互いの実家の墓には入らずに、夫婦で入るお墓です。個人墓同様に、家墓の区画内外どちらにも建てられています。少子化・再婚などさまざまな理由で選ぶ夫婦が多いようです。

共同墓

共同墓は、血縁有無に関係なく、仲の良い友人や同じ信仰を持つ人達などを一緒に埋葬します。近年では、独り身の老人同士で共同墓を用意する、老人ホームなどで建てることもあります。

合祀墓

合祀墓は、他家の遺骨も一緒に埋葬するお墓で、公営墓地の合葬施設や民営霊園の永代供養墓、寺院にある永代供養塔などが該当します。一度納骨すると遺骨を取り出せなくなるため、よく検討してから納骨しましょう。

墓石以外の墓や供養の種類

お墓を建てずに、樹木や草木をシンボルとしてその根元に埋葬する樹木葬、骨壺を納骨スペースに収める納骨堂、海や山への散骨など、供養の方法はさまざまです。樹木葬や散骨の場合、一部の遺骨を自宅で保管する、アクセサリーやプレートに加工する人もいます。

まとめ

墓地は不要になっても転売できないため、墓地区画は管理者へ返還する形になります。返還の際には、墓石の解体や撤去などの作業を行い、更地にする必要があります。さまざまな手続きもあるので、不要になった際には、まず墓地の管理者へ相談することをおすすめします。

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