遺言の撤回や方法とは?注意点や確実に撤回するポイントも紹介 | ご葬儀ガイド | 埼玉の安心の葬儀社アイワセレモニー

アイワセレモニー

お急ぎの方へ

ご葬儀ガイド 知っているようであまり知らない葬儀・お葬式のマナーや知識を葬儀のプロが解説します。ご葬儀ガイド 知っているようであまり知らない葬儀・お葬式のマナーや知識を葬儀のプロが解説します。

遺言の撤回や方法とは?注意点や確実に撤回するポイントも紹介

終活・準備,葬儀後



遺言の撤回とは、遺言の作成者が、記載内容を撤回したり変更したりすることです。遺言書を作成したものの、さまざまな理由からその遺言を撤回したいと考えることは少なくありません。遺言は撤回できますが、いくつかのポイントを抑えることが大切になります。この記事では、遺言の撤回の方法について具体例をまじえながら解説します。注意点も紹介しているので、参考にしてください。

遺言の撤回とは

遺言の撤回とは、遺言の作成者が遺言のすべて、または一部分をなかった状態にしたり、変更したりすることです。遺言者の生存中は、遺言の撤回をいつでも自由に行えます。しかし、遺言者が亡くなった時点から遺言書は遺言者の最終的な意思と判断され、撤回できなくなります。法律で遺言の撤回は認められていますが、正しく手続きしないと、撤回が無効になることがあるため、注意が必要です。

遺言はいつでも撤回できる

遺言は、日付の新しい、最新のものが優先されるため、遺言者が生存していれば、いつでも撤回できます。遺言書の種類や内容に関係なく、遺言作成者の意志によって行えます。遺言を撤回する権利は、放棄出来ないことが法律で定められているため、遺言書に撤回しないと記載していた場合でも撤回できます。

また、脅迫・詐欺などにより、無理やり遺言書が作成されたことが判明した際は、遺言者が亡くなった後でも撤回可能です。

遺言を撤回する方法とは

遺言書の撤回方法を、3種類の遺言書別に解説します。3種類の遺言書は、すべて撤回可能です。

自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言は、自作したものなので、破り捨てるなど破棄してしまえば撤回したこととなります。新しく遺言書を書き直す、または、遺言の撤回書を作成することでも、古い遺言書を撤回できます。

遺言書の一部を撤回したい場合は、遺言書の削除・変更したい部分に押印し、変更内容と削除・加筆した旨を明記すれば、撤回が認められます。いずれの場合も、本人が自書し、署名・捺印を必ず行わないと無効となるため、注意が必要です。

公正証書遺言の場合

公正証書遺言は、公証役場で証人2人の立ち合いのもと作成され他遺言書で、公証人役場で保管されます。公正証書遺言を撤回するためには、自筆証書遺言を作成するか、新たに公正証書遺言を作成することで、撤回が可能となります。自筆証書遺言の場合は、紛失した場合は、撤回前の公正証書遺言が正式な遺言書となるため、公正証書遺言を作り直す方が賢明といえます。

秘密証書遺言の場合

秘密証書遺言は、公証役場で証人2人の立ち合いのもと、自作した遺言書の存在を確証してもらった遺書で、自分で保管します。秘密証書遺言は、開封してしまうと無効となります。なお、開封後に自筆証書遺言と認められた場合は、自筆証書遺言と同じ方法で撤回できます。

遺言を撤回する際の文例

遺言を撤回する際の文例を紹介します。最新の日付が優先されるため、日付は必ず明記する必要があります。

遺言書をすべて撤回する場合

新しく作成する遺言書に「遺言をすべて撤回する」ことを明記することで、すべての遺言書を撤回できます。日付・署名・捺印は、必ず行いましょう。下記で文例を紹介します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言に遺言撤回の条項を記載することで、自筆証書遺言だけでなく、公正証書遺言・秘密証書遺言の撤回が行えます。遺言書は日付の新しいものが優先されるため、必ず日付を明記しましょう。

文例 
遺言者〇〇〇〇は、2020年〇月〇日付作成の自筆証書遺言(または、公正証書遺言・秘密証書遺言)による遺言をすべて撤回する。
   

公正証書遺言

公正証書遺言に遺言撤回の条項を記載することで、公正証書遺言だけでなく、自筆証書遺言・秘密証書遺言の撤回が行えます。

文例 
・遺言者〇〇〇〇は、2020年〇月〇日付で〇〇地方法務局所属公証人〇〇〇〇が作成した同年〇号公正証書遺言による遺言をすべて撤回する。

・遺言者〇〇〇〇は、2020年〇月〇日付作成の自筆証書遺言(または、秘密証書遺言)による遺言をすべて撤回する。

秘密証書遺言

秘密証書遺言に遺言撤回の条項を記載することで、秘密証書遺言だけでなく、自筆証書遺言・公正証書遺言の撤回が行えます。

文例 
遺言者〇〇〇〇は、2020年〇月〇日付作成の秘密証書遺言(または、公正証書遺言・自筆証書遺言)による遺言をすべて撤回する。

一部のみ撤回する場合

自筆証書遺言・秘密証書遺言を撤回したい場合、撤回部分が2~3個で少ないときは、撤回したい部分に二重線を引き捺印します。撤回したうえで、修正も行いたい場合は、撤回した部分の上部に加筆します。いずれの場合も、撤回した旨の条項を最後に記載します。

遺言の末尾に、撤回したい部分と撤回後の内容を記した条項を記載することも可能です。変更しない部分は維持することも必ず記載しましょう。公正証書遺言は、内容を変更する手続きはないため、新たに遺言書を作成する必要があります。

文例 
遺言者〇〇〇〇は、2020年〇月〇日付作成の自筆証書遺言(または、公正証書遺言・秘密証書遺言)中、「遺言者〇〇〇〇は、遺言者の所有する預貯金を妻〇〇〇〇に相続させる」を撤回し、「遺言者〇〇〇〇は、遺言者の所有する預貯金を長男〇〇〇〇に相続させる」とする。その他は、すべて上記自筆証書遺言にあるとおりとする。


遺言撤回と遺言無効・取り消しは異なる

遺言の撤回と、遺言の無効・取り消しとの違いについて解説します。

遺言の無効とは

遺言の無効とは、遺言自体にもともと効力がないことです。具体的には、遺言の形式が整っていない、遺言者が15歳未満のため遺言年齢に達していない、遺言の内容が法律で許されないなどが該当します。

遺言の取り消しとは

遺言の取り消しは、撤回と同じ意味で使われることが多いですが、厳密にいうと異なります。取り消しは、法律な理由で、無効だと認められたときに行われます。詐欺や脅迫などの理由で作成された遺言は、遺言した当初にさかのぼり効力がなくなります。遺言者の意思で自由に行える撤回とは異なり,法定の取消事由がなければ認められないのが取り消しだといえます。

遺言撤回と認められるケースとは

遺言を撤回するという文書の作成などを行わなくても、撤回したと認められる事例について解説します。

複数ある遺言の内容が一致しない

遺言者が複数遺言を残し、内容が一致しない場合には、一番新しい遺言が優先され、日付の古い遺言は撤回されたものと判断されます。例えば、5年前の遺言書に「長女に〇〇作の絵画2枚を相続させる」と記載し、1年前に作成した遺言書に「長女に△△作の壺を相続させる」と記載した場合、5年前の遺言は撤回されます。

遺言者が遺言内容と矛盾する行為を行う

遺言者が、財産の生前処分を行うなど、遺言内容と矛盾する行為をおこなった場合には、矛盾した部分のみが撤回されます。例えば「長男に〇〇銀行の預貯金を相続させる」と遺言を残したものの、遺言者が全額使ってしまった場合は、預貯金の相続が撤回されます。

遺言書や遺贈物を遺言者が破棄する

遺言者が遺言書や遺贈物を意図的に破棄すると、破棄された部分のみ遺言が撤回されます。自筆証書遺言と秘密証書遺言は破棄することで、遺言の撤回が認められます。公正証書遺言は公証役場に原本を保存されているため、遺言者が正本や謄本を破棄しても、撤回とはなりません。

「長男に△△作の壺を相続させる」と遺言したにもかかわらず、遺言者の過失などで壺が壊れてしまった場合には、壺の相続は撤回されたと判断されます。

遺言を撤回する際に気を付けるべき点とは

遺言を撤回する際には、いくつか気を付けるべき点があります。

公正証書遺言が適している

基本的にどの遺言書の形式でも、遺言の撤回は対応できますが、紛失する恐れがないため、公正証書遺言が適しています。公正証書遺言は、法律に対する実務経験が長い公証人が作成します。遺言者の話を聞き取り、遺言撤回の要件を確認して遺言書を作成するため、形式上の不備などによる、遺言の無効の可能性がありません。

遺言者は撤回権を放棄できない

遺言者は遺言の撤回が自由に行えますが、撤回権の放棄はできません。遺言の撤回権は、法律で定められており、遺言者の意志が尊重されます。相続人に遺言書の作成を強要され、撤回しないように脅迫された場合などにも、後日撤回できます。

撤回した遺言の効力は回復しない

遺言者が一度撤回した遺言は、撤回した時点で効力を失うため、二度と効力を回復させられません。ただし、詐欺や脅迫などで撤回させられた場合は、遺言者の本心に沿わない撤回のため、遺言の効力が回復される可能性があります。

遺言を確実に撤回するポイントとは

文書の不備などで効力を失わないためにも、確実に撤回するポイントについて解説します。

遺言の有効性を確認する

遺言を確実に撤回するためには、遺言撤回を記載した遺言書、または、撤回文書の有効性を確認する必要があります。自筆証書遺言の場合は、遺言の形式に不備がみつかり、無効になることが少なくないです。自筆証書遺言の場合は、全文を遺言者本人が自書し、日付・署名・捺印があることが有効性の条件となります。

専門家のチェックを受ける

遺言を確実に撤回するためには、遺言を撤回する文書などについて、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家のチェックを受けることをおすすめします。相続の撤回により、もめごとが起きた時にも、的確なアドバイスがもらえます。

まとめ

遺言の撤回は、法律で認められた遺言者の権利です。しかし、遺言の形式に従っていないと、効力を失うこともあります。確実に遺言の撤回を行うためには、公正証書遺言を作成することをおすすめします。不安な場合には、法律の専門家に相談することも検討しましょう。

アイワセレモニーは、依頼・相談実績が2万件、行政などからも委託指定を受けている地域密着の葬儀社です。窓口が一本化しており、葬儀の事前相談から葬儀後の手続き、法事などに至るまで安心のサポートを行います。24時間365日、無料で葬儀の事前相談・見積もりを行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。

アイワセレモニーへのお問合せはこちら
LISTLIST一覧に戻る

東京・埼玉を中心に400箇所以上の提携葬儀場があります

葬儀場を探す
詳しくはこちら 詳しくはこちら 詳しくはこちら 詳しくはこちら 詳しくはこちら
このページのTOPへ