終活の片付け|生前整理を行うタイミングやメリット、具体的な方法など詳しく解説
終活・準備,葬儀後残りの人生の豊かなものにするために、終活に取り組むケースは多いのではないでしょうか。終活には様々な活動が含まれており、その1つに片付けがあります。この記事では、終活を始めたい人向けに、終活における片付けについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
「終活片付け」とは生前整理のこと
終活における片付けとは、生前整理のことを指します。生前整理では、自分の人生の中で思い入れのあるものを整理し、大切なもの以外は処分することです。生前整理を行うことで、ものが少なくなり、自分の死後に残された家族の遺品整理の負担が軽くなります。そういった意味で、生前整理は自分のためであるのと同時に遺族のためでもあるといえます。
終活の片付けと「断捨離」との違い
終活の片付けと似た「断捨離」があり、両者を混同してしまう人もいるかもしれませんが、これらは全く別です。終活の片付けは、自分自身や家族のために自分の身の回りのものを整理し、自分の人生を見つめ直すために行います。一方の断捨離はものへの執着をなくすライフスタイルのことです。
終活の片付けはものへの執着をなくすわけではないため、断捨離とは別のものだと考えられます。
家族が行う「遺品整理」との違い
遺品整理とは亡くなった方の遺族が行うものであり、故人の持ちものなどを片付けることです。一方の終活片付けは、亡くなる前に自分自身で行うものです。家族が手伝うこともありますが、本人が中心となって行われます。
終活の片付けをするべき3つの理由
ここでは、なぜ終活の片付けをするべきなのか、その理由について解説します。
整理整頓によって必要なものを見直すため
終活片付けによって、自分にとって必要なもの、不用なものを見直すことができます。残りの人生で本当に必要なものはなんなのかがわかるほか、片付けの過程で自分の人生を振り返ることができ、心の整理にもつながるでしょう。
家族の負担を減らすため
終活片付けを行うことで、家族の負担を減らすことができます。自分の死後、たくさんのもので溢れかえっていると、遺族は遺品整理に大きな労力を割くことになるでしょう。一方で、片付けができていれば、遺品整理も簡単に行えます。
残された人生における生活を快適に過ごすため
終活片付けは、自分の残りの人生をより豊かで快適に過ごすためにも行われます。片付けることで、自分の身の回りには必要なものだけが残り、身軽でシンプル、効率的な生活を送ることができるでしょう。
終活の片づけを行うメリット
終活の片付けにはさまざまなメリットがあります。ここでは、具体的なメリットについて解説します。
時間やお金の浪費がなくなる
終活の片付けを行うと、ものを溜め込まなくなるため、時間やお金の浪費がなくなります。例えば、ものがあるとそのものを維持するための費用がかかりますが、ものが少なければそういった負担も少なくなります。また、ものが多いと掃除をしたり必要なものを探したりするのに時間がかかりますが、片付けをしておけばそういった心配もありません。
遺族の負担を軽減できる
終活の片付けをしておけば、万が一自分が死んでしまった時でも、遺族が遺品整理をする際の負担を軽くできます。一方で、ものの整理ができていないと、整理に時間がかかり、死後の各種手続きにも時間がかかるかもしれません。
整理することで安心感を得られる
身の回りのものを整理することで、家族への負担を減らし、残りの自分の人生との向き合い方を考えられるなど、安心感を得ることができます。安心感があれば、残りの人生を楽しみながら過ごすこともできるでしょう。
財産分与などのトラブルを防ぐことができる
遺産相続は遺族間でのトラブルにつながる恐れがありますが、終活の片付けで、遺産を整理しておけば、トラブルを防ぐことができます。具体的には、借金や保険といった財産関連の情報を一覧表にまとめておく、相続人を事前に確認しておくといったことを行います。
終活片付けを始めるのにふさわしいタイミングとは?
終活の片付けは、意外と時間や体力を必要とする大仕事です。そのため、できるだけ体力的に余裕があるうちからはじめましょう。具体的には、定年退職直後であれば、体力にも余裕があり、時間も確保できるためおすすめです。
終活片付けの基本的な方法
ここでは、終活の片付けを行う際の基本的な方法について解説します。
いるもの/いらないものに分類する
まず自分の持っているものを、いるものといらないものに分類しましょう。何がいるか、何がいらないのか判断が難しいという場合は、「現在使っているかどうか」を判断基準としてみてください。今使っているものは「いる」という判断ができ、使っていないものやいつか使うかもしれないものは「いらない」ということになります。
いるものは整理してから収納する
いるものといらないものを整理したら、いるものは整理したうえで収納しましょう。特に使用する頻度の高いものに関しては、しまい込まずに手の届く位置に収納するのがポイントです。使用頻度が低いものは押入れなどに収納しても構いません。
いらないものを処分する
分類の結果、いらないと判断したものは処分しましょう。ただしものによって、可燃ゴミではなく資源ごみとして処分するケースや粗大ゴミとして処分するケースなど、処分方法が異なるため、ルールを確認したうえで処分しなければいけません。
自治体の回収を利用する
いらないものの処分方法の1つに、自治体による回収が挙げられます。不用品の種類によってはゴミとして処分できるものもあるため、積極的に活用してみてください。ただし、テレビなど一部家電に関しては家電リサイクル法などに従う必要があるため注意が必要です。
人に譲る
自分にとっては不用なものであっても、まだ使えるものを捨てるのはもったいないと感じる人もいるでしょう。そのような場合は、人に譲るのも1つの方法です。処分する前に友人や知人に確認してみるといいでしょう。
リサイクルショップに売る
譲り先が見当たらない場合は、リサイクルショップに売ることもできます。リサイクルショップなら、処分にかかる費用を抑えることも可能です。ただし、売るために店舗に処分するものを持ち込む必要があるほか、買い取り不可になると持ち帰らなければいけないことがほとんどなので注意してください。
不用品回収業者に売る
不用品の中でもパソコンやテレビ、エアコンなどリサイクル対象となっている一部の家電に関しては自治体では引き取ってもらえない可能性があります。そのような時は、不用品回収業者に売ることもできます。費用は業者によって異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。
遺品整理業者を利用する
不用品が大量にある場合や不用品の運搬が難しい場合は、遺品整理業者を利用することもできます。遺品整理業者は、回収まで待つ時間がほとんどなくスピーディーに対応してくれるため、一気に処分できます。
資産整理を行う
不用品の処分が終わったら、資産整理を行います。使用していない口座やカードがある場合は解約しておきましょう。負債がある場合、整理しないと遺族に請求が届き負担になる恐れがあります。預金、負債、保険、不動産などは一覧にして整理しておくとわかりやすくなるのでおすすめです。
リストアップして管理するのがおすすめ
資産をリストアップして一覧にすることで、遺族がどの資産がどのくらいあるのか、どこにあるのかといった情報を見つけやすくなります。具体的にリストアップする項目としては、銀行名と名義、預金額、さらには有価証券や加入している保険、所有している不動産、借金などが挙げられます。
終活片付けを行う際のポイント
ここでは、終活の片付けを行う際に覚えておきたいポイントについて解説します。
期間や目標を定めたうえで行う
終活の片付けは、行う期間や目標を定めたうえで取り組むようにしましょう。片付ける量は思っているより多いケースが多く、一度にまとめての片付けは無理があります。だからといってダラダラと続けるわけにもいきません。具体的にいつまでに終えるのか、無理のない期間を設定し、片付けのチェックリストを作成するなどして効率よく取り組むようにしましょう。
ためらわず思い入れの少ないものから整理する
思い出のあるものの整理には時間がかかることもあります。そのため、まずは明らかに不用だと思えるものから整理するようにしましょう。思い入れが少ない場合にはためらわずにどんどん整理するのがポイントです。
遺される家族と一緒に整理する
片付けは、できれば家族と一緒に行いましょう。高齢者にとって、片付けは体力や気力を要する大きな作業です。そのため、家族の助けを受けながら行うほうが効率的に進められるでしょう。また、何を残すのか、家族の要望を聞きながら行うことで、遺される家族の負担を軽減することができます。
片付け後の生活をイメージし1年ごとに見直す
片付けをする際は、片付けをした後の生活を常にイメージしましょう。どのような生活を送りたいのか、自分の理想的な暮らしはどのようなものなのか考えることで、スムーズに片付けが進められるはずです。また、状況や気持ちは常に変化するため、片付け後も1年ごとに見直すようにしましょう。
データなど形のないものも整理する
デジタル遺産の整理も合わせて行いましょう。デジタル遺産とは、デジタル機器内やインターネット上に保存されているデータや個人アカウントのことです。使用していないものはアカウントを解約し、残したいアカウントに関しては遺族がデータにアクセスできるように、パスワードやアカウント名を適切に保管するようにしてください。
整理するべきデジタル遺産
整理するべきデジタル遺産は、デジタル機器内に保存されている写真や動画などのデータ、インターネット上のデータやアカウントとなります。具体的には以下のようなものを整理しましょう。
・パソコン・スマートフォンのデータ
・SNSなどの各種アカウント
・有料サービスのアカウント
・インターネットバンキングの口座
・クラウドストレージに保存されているデータ
・メールアカウント
終活片付けにおける注意点
ここでは、終活の片付けをする際の注意点について解説します。
重要な書類を処分しないように気を付ける
金融機関や保険、不動産関連などの重要な書類に関しては、誤って処分してしまわないように注意してください。書類によっては再発行に手間がかかるものもあるため、遺族の負担になる可能性があります。書類を処分するときは、必ず内容を確認してから処分しましょう。また、資産に関する書類はまとめておくのもポイントです。
体力や判断力があるうちに取り組む
終活片付けは、遺族のために行うものであると同時に、自身の残された人生をより快適にするためでもあります。歳を取ると難しくなることもあるため、体力や判断力のあるうちに行いしましょう。
まとめ
終活の片付けとは生前整理のことであり、遺された家族の負担を減らすため、自分自身の余生をより良いものにするために行います。今回紹介した内容に沿って、いるもの・いらないものの、資産、デジタル遺産の整理をしっかりと行うようにしましょう。
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