遺骨の移動「改葬」について|手続きの方法や手順・注意点など詳しく解説
散骨,葬儀手続き,葬儀後さまざまな事情でお墓に収めている遺骨を移動するケースがあります。この記事では、何かしらの事情によって、遺骨の移動を検討中の人に向けて、その方法や流れなどを詳しく解説します。遺骨の移動に必要な書類やトラブルを避ける方法なども紹介するので、ぜひ役立ててください。
目次
- 遺骨の移動「改葬」とは?
- 遺骨の移動「改葬」の種類
- 改葬による遺骨の移動先
- 遺骨の移動「改葬」の流れ
- 遺骨の移動にかかる費用
- 遺骨の移動手段
- 移動時の遺骨の扱い方
- 遺骨の移動におけるトラブルを回避するためのポイント
- まとめ
遺骨の移動「改葬」とは?
改葬とは、現在お墓や納骨堂に納められている遺骨を他の場所に移動することです。改葬が行われる理由はさまざまです。主なものとしては、お墓が遠方にある、近くに移動したい、お墓をまとめて管理したい、といった理由が挙げられます。「墓じまい」との違い
改葬に似ているものに墓じまいがあります。改葬は、遺骨を移動することであるのに対して、墓じまいは、お墓の解体や撤去を行うことです。基本的には、墓じまいをしてから改葬を行います。そのため、改葬を行う過程の1つとして墓じまいがあると考えてください。遺骨の移動「改葬」の種類
ここでは、改葬の種類について解説します。遺骨のすべてを移動する
改葬の中でも一般的な方法とされているのが、遺骨を全て移動するというものです。遺骨を全て移動する場合、元々のお墓を撤去したうえで、改葬先で新たにお墓を建てることになるため、新しい石碑が必要になります。遺骨の一部を移動する
遺骨の一部のみを移動する方法もあります。元のお墓はそのままにして遺骨の一部を新しいお墓に移動します。元のお墓を撤去する必要はありませんが、新たにお墓を建てる必要があるので、新しい石碑が必要になります。遺骨と石碑を一緒に移動する
遺骨と石碑を一緒に移動する方法もあります。この場合、改葬先の墓地や霊園に遺骨とともに石碑も持ち込むことになります。墓地や霊園のルールによっては石碑の持ち込みができない場合があるので注意してください。石碑のサイズが合わないこともあるので事前に確認しておきましょう。分骨する
分骨とは、遺骨を複数の箇所で供養する方法のことです。行う場合は、分骨証明書を現在の墓地の管理者もしくは火葬場から発行してもらう必要があります。改葬による遺骨の移動先
ここでは、改葬した際の遺骨の移動先について解説します。新しく購入したお墓
現在のお墓を撤去し、新しく購入したお墓に遺骨を移動させることができます。この場合、お墓を新設する方法や、石塔のみ引っ越す「移設」といった方法があります。永代供養墓
永代供養墓とは、寺院や霊園に遺骨を預け、自分の代わりに供養を行ってもらうことです。永代供養墓には、納骨堂や合祀墓のように色々な形があります。また、場合によっては期限付きの場合もあるので注意してください。なお、利用にあたっては改葬許可申請が必要になります。樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を植える方法です。樹木を使用していますが、分類としては墓地として扱われます。樹木葬には里山で行うものと霊園で行うものがありますが、里山の場合は山間部でなければ実現できません。樹木葬も改葬許可申請が必要になります。納骨堂
納骨堂とは、納骨施設のことです。納骨堂には、寺院が運営する納骨堂のほかにも、自治体が運営する公営納骨堂、法人が運営する民営納骨堂などがあります。納骨堂に遺骨を預ける場合にも改葬許可申請が必要です。手元供養
手元供養とは、自宅などで遺骨を保管する方法のことです。骨壷に保管することもありますが、ペンダントに遺骨を入れて、常に身につけておけるようにすることも可能です。手元供養の場合、改葬許可申請は不要です。散骨
散骨とは、遺骨を山や海などに撒く方法のことです。撒く際には遺骨を粉末状にする必要があります。こちらも改葬許可申請は不要ですが、撒く場所によってはトラブルにつながる恐れもあるので注意が必要です。遺骨の移動「改葬」の流れ
ここでは、改葬をする際の具体的な流れについて解説します。改葬先となる墓地や霊園を決める
まずは、遺骨の移動先となる墓地や霊園を決める必要があります。別の墓地を設けるのか、永代供養墓を利用するのか、改葬先を決めてください。また、改葬にあたっては移動先で「受け入れ証明書」を発行してもらう必要があります。必要書類を用意する
改葬にあたっては、いくつかの書類を用意しなければいけません。まず改葬先から発行してもらう「受入証明書」、そして自治体に「改葬届」、「改葬許可申請書」の申請を行い、「改葬許可証」を発行してもらわなければいけません。実際に必要となる書類は改葬の方法によっても異なるので、詳しくは事前に確認するようにしましょう。【ケース別】改葬時の必要書類
ここでは、改葬のケース別に必要な書類について解説します。必要な書類の違いや手続きの要・不要があるので、ぜひチェックしておいてください。災害などによる改葬の場合 | ・同じ場所にお墓を新しくする:手続きは不要 ・墓地の変更に伴い移動する:手続きが必要 |
墓地を変更する場合 | ・改葬許可書 ・受け入れ証明書 |
墓じまいの場合 | ・改葬許可書 ・同じ霊園内やお寺であれば、許可証は不要 |
埋葬しない場合 | ・遺骨引渡証明書 ・改葬許可書は不要 |
改葬許可申請書とは、改葬許可証を取得する際に必要となる書類のことです。申請書は、現在お墓がある自治体の役所で配布されています。また、ホームページから取得できるケースもあるので、チェックしてみてください。
閉眼供養を行う
改葬や墓じまいをする際には、閉眼供養を行わなければいけません。閉眼供養では、お寺を招いて読経をしてもらうほか、家族は焼香を行って、お墓を供養します。閉眼供養は、「魂抜き」とも呼ばれています。遺骨を取り出す
閉眼供養が終わったら、実際に遺骨を取り出します。遺骨は自分で取り出せないことはありませんが、墓石が重く危険であるため、基本的には石材店に依頼するようにしましょう。石材店に依頼する場合は出張費として費用が発生します。地域によって異なるカロートの形状と埋葬方法
カロートとは、遺骨を納める場所のことです。カロートの構造は地域によって異なります。九州や沖縄であれば、人が入れるくらいの納骨室を作り、関東地方であれば、墓石の地中部分にカロートが作られます。関西地方では側面を御影石で囲んだとてもシンプルな構造であることがほとんどです。遺骨の移動にかかる費用
ここでは、遺骨の移動にかかる費用について解説します。移動前の墓地にかかる費用
遺骨を移動させる前に墓地にかかる費用としては、まず遺骨取出し料金が1体につき3万円~5万円程度かかります。また、墓じまいをする場合は、旧墓石の解体費用も発生します。閉眼供養料にも5,000~1万円程度かかるので、事前に費用を確保するようにしましょう。移動先の墓地にかかる費用
移動先の墓地にかかる費用としては、まず納骨費用が1体に対して3万円程度かかります。また、閉眼供養料が3万円~5万円程度、移転先の宗派が異なる場合戒名料、さらには墓じまいの場合は新墓地の土地代、新墓石代もかかります。手続きなどにかかる費用
改葬には、各種書類を用意する必要があるため、その発行手数料がかかります。書類にもよりますが、1通あたり0円〜1,500円程度かかると考えておいてください。また、お寺によっては入壇料や年会費、寄付なども必要になります。遺骨の移動手段
ここでは、遺骨の移動手段について解説します。遺骨は手荷物として移動可能であるため、いくつかの移動方法が選択できます。車
遺骨は改葬許可書と埋葬許可証があれば、車で移動させることができます。マイカーはもちろん、タクシーでの移動も可能です。ただし、民間の宅配業者に依頼することはできないので注意してください。電車
電車で遺骨を移動させることも可能です。ただし、電車の場合は他の乗客がいるため、配慮が必要です。飛行機
遺骨は、手荷物として飛行機の機内に持ち込むことができます。ただし、航空会社によって、取り扱い方法に違いがあるケースもあります。そのため、事前に乗務員に確認しておくことをおすすめします。移動時の遺骨の扱い方
遺骨は石材店に取り出してもらい、建て替えの場合には自宅には持ち帰らず、遺骨を菩提寺に預けるようにしましょう。遺骨の入れ物に関しては、取り出した際に掃除をするようにしましょう。掃除をしたら新しい白い風呂敷で包むようにしてください。遺骨の移動におけるトラブルを回避するためのポイント
ここでは、遺骨を移動する際に発生しやすいトラブルを回避するためのポイントについて解説します。身内や親族間で話し合いの場を持つ
墓じまいや遺骨の移動を行う際に起こりやすいのが、親族間でのトラブルです。話し合いを十分に行わなかったために理解が得られずトラブルに発展するケースもあります。必ず話し合いの場を持ち、遺族間での合意を得るようにしましょう。お墓の管理先に事前に連絡を入れる
遺骨を別の場所の移動させる場合、管理先に事前に連絡を入れ、移動させることへの了承を得る必要があります。管理先には、これまでお世話になった感謝を伝え、慎重に対応するようにしましょう。遺骨の移動先を決めておく
遺骨の移動先は早い段階で決めておくようにしましょう。場合によっては、受け入れ拒否をされる可能性もあるため、事前交渉と確認を行うだけの時間的な余裕を持っておくことをおすすめします。費用を把握しておく
改葬には、お布施や書類の準備、新しい墓石の用意などさまざまな費用が発生します。そのため、負担する費用が多くなり、トラブルが発生することも珍しくありません。費用に関しては、必ず事前にどのくらい必要になるのか確認しておくようにしましょう。遺骨の移動に必要な書類を確認しておく
改葬にあたっては、さまざまな書類が必要になります。改葬許可証に関しても自治体によって申請に必要な書類は異なるので注意が必要です。また、改葬元、改葬先に対しても、必要な書類の確認を行っておくようにしましょう。まとめ
改葬の際にはさまざまな書類が必要になるほか、費用の負担も比較的大きなものになります。お墓の管理先への事前連絡や改葬先探し、親族間での合意などやるべきことは多岐にわたるため、時間には余裕を持って手続きを進めるようにしましょう。「アイワセレモニー」では、葬儀内容や費用について事前に無料で相談・見積もりが可能です。葬儀前から葬儀後まで一貫したサービスを提供しているので、不安や疑問なども親身になってサポートしてもらえます。気になる方は、まずは無料相談を利用してみてください。
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