自宅葬とは?メリット・デメリットから葬儀の流れ、かかる費用まで詳しく解説
お葬式のマナー,葬儀の種類,葬儀の流れ近年、人生の集大成として「終活」を考える人が増えています。また、親族や自分自身の葬儀についても考え始め、選択肢の一つとして「自宅葬」が注目されるようになってきました。この記事では、「自宅葬」の基本的な説明、メリット・デメリットから葬儀の流れ、かかる費用まで解説しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
自宅葬とは?
自宅葬とは、言葉の通り自宅で葬儀を行うことです。「思い出のある自宅で見送ってほしい」という故人の希望や、「身近な人たちだけで時間を気にせずゆっくりと故人を見送りたい」という遺族が自宅葬を選ぶようです。
実は、現代では葬儀場などでの葬儀が一般的ですが、日本では長い間、自宅葬が一般的でした。住宅事情や家族構成などの変化で斎場での葬儀が増えましたが、近年は自宅葬が再び注目されています。
自宅葬には葬儀会社を手配する方法と、葬儀会社を手配せずに遺族が全て準備する方法があります。それぞれ、メリット・デメリットがありますが、共通していることは、自宅で葬儀を行う為には、スペース(布団と枕飾りを置くことを考えると、少なくとも6畳ほど)の確保が必要なことです。その他に祭壇の設置や、葬儀に参列する人たちの接待の場なども必要となります。
自宅葬のメリット
自宅葬を行う上でのメリットについて解説します。
自宅で最期を迎えることができる
「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と遺言する方もおり、故人の遺志を尊重できます。また、葬儀場のように他家の葬儀に気を使うことなく、家族や親しい友人と故人がゆっくりお別れできます。故人が病院などから住み慣れた家に戻ることのできる自宅葬は、故人や遺族にとっても、思い出のつまった家で最期を過ごす大きなメリットといえます。
故人とゆっくりお別れができる
自宅葬は、自宅で故人にゆっくり付き添うことができます。葬儀場での葬儀は開館時間の関係上、滞在できる時間に制限があり、ゆっくりお別れができない場合もありますが、自宅葬の場合はその心配がありません。住み慣れた自宅で、故人との最後の時間を心ゆくまで過ごすことが出来ます。
自由度が高い
自宅葬にはルールがありませんので、自由に葬儀ができます。故人の好きだった料理を作ったりデリバリーを頼んだり、故人を偲んで思い出話に花を咲かることもできます。故人が生前楽しんでいた趣味(音楽など)を反映することもできます。また、故人が生前お付き合いのあった親しい友人を招いたり、弔問客が来る時間帯を任意に設定することもできます。
飲食接待費を抑えることができる
一般的な葬儀とは異なり、自宅葬の場合は故人が生前親しくしていた人だけを招くことが多いです。そのため、会食や香典返しなどの費用をかなり抑えられます。
また会場を借りないため、その費用もかかりません。しかし、マンション規約で禁止されていたり、戸建てでも葬儀を行うスペースの確保が出来ないなど、自宅葬を行うことが出来ない場合もあるので、注意が必要です。
自宅葬のデメリット
自宅葬を行う上でのデメリットについて解説します。
葬儀の準備や催行に負担が大きい
自宅葬は、葬儀場で行う葬儀に比べ、喪主やその家族が葬儀の準備や催行を全て手配しなければなりません。よって喪主や家族の負担が非常に大きくなります。例えば、式の進行や料理の準備、霊柩車の手配などがあります。
葬儀社に依頼する場合でも、会場となる自宅の片付けや準備は自身で行うことになるので負担がなくなるわけではありません。しかし、式の進行や事務手続き祭壇の設置などをお願いできるので、負担はかなり軽減されます。
近所への配慮が必要
葬儀では多くの人が集まるので通常よりも大きな音がでることもあり、自宅葬を考えるなら近所への配慮も必要です。参列者や棺の出入りなどで車の出入りも増えるので、ご近所と騒音や駐車トラブルが発生することもあります。トラブルを避けるためにも、事前に近所の方へお知らせすると良いでしょう。近隣の駐車場を確保できるかなど、近隣環境の確認もしましょう。
自宅が賃貸の場合、家主の許可も必要となりますので確認しましょう。また自宅がマンションでは、そもそも葬儀ができない場合もあります。事前にマンションの規約を読み、管理組合などに自宅葬を行えるか確認しておきましょう。同時にエレベーターに棺が入るかも確認が必要です。
親族や弔問客に気を使う
自宅葬は、喪主やその家族が親戚・弔問客などに対し、一般葬のように業者に任せられないので負担が大きくなります。弔問客の様子をみて、お茶・お菓子・食事・お酒など適宜出さなければなりません。
また自宅なので、部屋・トイレ・洗面所の掃除や駐車場の案内にも気を使うでしょう。玄関や靴などの整理も必要なので、常に周りに気を配ることが必要となります。
ご自身で自宅葬を行うには
自宅葬の流れを紹介します。
1)ご臨終(自宅で亡くなった場合はかかりつけの医師か救急車、または警察に連絡をする。 病院の場合は自宅へご遺体の搬送をする必要がある)
2)自宅でご遺体を安置する。枕飾りの設置をする。
3)死装束や死化粧などを施し、旅立ちの準備をする。
4)祭壇の設営をする。
5)通夜(弔問客を迎えたり対応をする)
6)葬儀・告別式(受付や接待をする)
7)火葬場まで霊柩車で出棺する。
8)火葬場で最期のお別れをする。
この他にも、スペースがなければ家具などの移動、死亡届の提出、火葬場の手配、僧侶などへの依頼、棺・骨壺の用意、接待の為のお料理作りや手配など、やることが沢山あり、全てを自力で行うのは大変です。自宅葬の場合も、葬儀会社に頼むと喪主やその家族の負担を減らすことが出来ます。
葬儀社に依頼して自宅葬を行うには
葬儀社では自宅葬のプランを用意しているところもあり、ほとんどの場合、対応してもらえます。葬儀内容も様々ですので、葬儀社に相談してはいかがでしょうか。
自宅葬を行う場合、すべてを自力で行うと多くの作業があり、非常に大変です。葬儀会社に依頼すれば、葬儀に必要となる様々な準備をある程度任せることができるので、心身の負担や時間の短縮につながります。また故人とのお別れに専念することができます。
一般的な葬儀は、通夜から告別式まで約200万円が相場です。自宅葬の場合は葬儀社により価格の設定が異なりますが、約40~100万円が相場とされています。葬儀費用には霊柩車やドライアイス、係員の経費、事務手続き費用などが含まれている場合が多いです。また、僧侶を呼ぶ場合は別途お布施が必要です。
まとめ
近年注目されている「自宅葬」は、自由だからこそ様々なパターンがあり、迷ってしまう方も多いと思います。しかし、「自宅葬」が故人の希望であればできるだけ叶えてあげたいですよね。すべてを自力で行うのは非常に大変ですが、葬儀社に依頼することで遺族の負担を抑え、安心して故人との最期の別れを行うことができます。
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