喪主の決め方とは? | 喪主の役割や施主との違いも解説
葬儀の流れ,お葬式の役割ご家族が亡くなられた際、突然のことで、誰が喪主を務めるべきなのか分からなかったり、迷ってしまったりすることもあるでしょう。
この記事では、一般的な喪主の決め方や、混同されやすい喪主と施主の違いを解説しています。その他、喪主がやることについても具体的に紹介しているので、葬儀の際は是非参考にしてみてください。
喪主の決め方
ここでは喪主の決め方について紹介していきます。基本的に故人との関わりが深い人物が喪主を務めるのが一般的です。
故人の遺志が最優先
喪主を決めるときは故人の遺志を最優先します。遺言書やエンディングノートで喪主が指定されている場合は、その希望を優先させましょう。遺言書の場所がわからない場合は、故人が大切にしていた所を中心にチェックすると見つかる場合があります。
家の中にないときは、銀行の貸金庫なども調べてみるとよいでしょう。他にも故人の生前、被相続人が公証役場などに遺言書を保管している可能性もあります。公証役場の場合、全国規模で確認が取れるので、最寄りの公証役場があれば確認してみましょう。
配偶者が喪主を務めることが多い
喪主は、遺言書などがない場合、故人の配偶者がやるケースが多いです。
昔は家督を継ぐことが当たり前だったため、跡継ぎとなる長男が喪主を務めるのが一般的でした。しかし、核家族化が進み、夫婦のみの世帯も増えたことで、喪主の意味合いも「故人と関係の深かった人物が務める」ように変わっていき、配偶者が務めることが多くなりました。
血縁者から選ぶ場合の優先順位
喪主は故人と関わりの深かった人物が務めることから、血縁関係が深い順番を以下にあげています。血縁者から喪主を選ぶ際の参考にしてみてください。
優先順位 | 故人との血縁関係 |
1 | 配偶者 |
2 | 長男 |
3 | 次男(以下、直系の男兄弟順) |
4 | 長女 |
5 | 次女(以下、直系の女兄弟順) |
6 | 両親 |
7 | 兄弟・姉妹 |
配偶者が高齢や病気の場合、あるいは精神的に喪主を務めることが難しい状態の場合は、子供が喪主を務めることが一般的です。戦前の遺産継承の慣習の名残から、現在も男性がやることが多く、男兄弟の中でも長男が務めるケースが多いです。女性は結婚すると夫の家に入ることが多いので、喪主をやることが比較的少ないです。
上記以外でも、孫や祖父母、おじ・おばなどの親戚が務める場合もあります。もちろん、喪主を決める上でルールはないので、血縁関係の深い順番に決める必要はありません。
血縁者がいない場合の喪主の決め方
喪主は必ずしも血縁者が務める必要はありません。故人に身寄りがない場合や、家族や親戚と疎遠になってしまっている場合もあるでしょう。
血縁者が喪主を務めることが難しい場合は、故人と親交が深かった友人や知人が喪主を務めます。そのほか、故人の入居していた老人ホームや介護施設の代表者がやることもあります。このような場合は基本的に喪主とは呼ばれず、「友人代表」や「世話役代表」と呼ばれます。
喪主は複数で務めてもよい
喪主は祭祀継承者(お墓や仏壇などの祭祀財産を継承・管理する人)とは違い、一人でなくてはいけないという決まりはありません。複数人で務めることもできますので、故人の配偶者と子供、兄弟全員で共同で務めることもあります。
また、喪主はサポート役として「世話係」を置くこともできます。世話係とは規模が大きい葬儀や一人では難しい場合に、喪主をサポートする役割を持っています。一般的に親戚や友人、会社の同僚や上司が務めることが多いです。
喪主と施主の違いは?
喪主は「施主」と混同されることがよくありますが、役割が異なります。喪主は遺族の代表となり、葬儀社や寺院との打ち合わせから参列者への挨拶まで、葬儀全体を取り仕切ります。一方施主は、葬儀全体にかかる費用を負担し、喪主を運営面でサポートする役目を持っています。
戦前、旧民法だった時代には家督相続制度があり、祭祀継承権と家の財産はすべて長男に受け継がれていたため、「葬儀を取り仕切る喪主」と「費用を出す施主」が別々になることもありませんでした。しかし、戦後民法が改正され家督相続制度がなくなったことで、現在では祭祀権と財産権が分けられるようになり、喪主と施主を分担するケースも増えてきています。
ただし、現在も個人の葬儀の場合は、喪主と施主を兼任することが多いです。
喪主と施主が異なるのはどんな時?
配偶者が喪主、子供が施主の場合
故人の配偶者が喪主を務めるものの高齢の場合は、子供が施主となり、費用面のサポートをすることが多いです。
喪主が未成年の場合
故人の子供が未成年で喪主を務める場合、経済的な理由により施主を務めることが難しいです。このような場合は子供が葬儀の挨拶などを行い、費用面は親族などが負担するケースが多いです。
社葬の場合
会社などで社長や役員が亡くなり、大規模な社葬を行う場合、会社が費用を負担することが多いです。
喪主のやること
ここでは喪主のやることを紹介していきます。
葬儀全体の監督
喪主は遺族の代表であり、葬儀内容の最終決定権を持っています。葬儀を執り行うにあたり、さまざまなことを決めていきますが、代表的な事柄を以下で挙げます。
形式・場所
宗教や宗派によって、葬儀の形式は異なります。そのほか、家族葬や一日葬などさまざまな種類があります。家族や親戚と相談し、葬儀の形式とそれに合った葬儀場・寺院などを決めます。
日程
葬儀場や寺院の空き状況を確認し、日程を決めます。一般的に友引は避けるようにします。
費用
葬儀の費用は200万円近くになることも多く、簡単に決められるものではありません。そのため葬儀社と綿密な打ち合わせをする必要があります。
寺院・葬儀社への連絡
菩提寺がある場合は、菩提寺に連絡を取り日程の確認をします。菩提寺がないときや遠方の場合は、葬儀社に連絡して寺院を紹介してもらいましょう。
葬儀社は遺体の搬送などもしてもらえる場合が多いので、亡くなった後できる限り早く決めた方がよいです。ただし、焦って決めてしまうと予算やサービス内容などが合わない場合もあります。故人が亡くなった後では、ゆっくり考えられる時間がないので、事前に探して複数の会社を比較した上で決めることをおすすめします。
参列者への連絡
臨終後は故人と親交が深かった人物に訃報を連絡します。訃報を伝える範囲は以下を参考にしてください。
家族・親族
友人・知人(故人と親しくしていた人物)
職場関係
菩提寺・教会などの宗教関係者
町内会や自治会関係者(所属していた場合)
参列者には亡くなったことを電話で簡潔に伝えましょう。この時点では葬儀の詳細が決まってないことも多いため、後日改めて連絡する旨を伝えます。第一報で伝える内容は以下の通りです。
故人の氏名
亡くなった日
死因
葬儀の場所・日時(決まっている場合)
喪主や家族の連絡先
通夜・告別式での挨拶
喪主になると、通夜や告別式で挨拶をします。具体的な場面は以下の通りです。
・僧侶を迎える時
・参列者の受付時
・通夜式・通夜終了後
・通夜振る舞い
・告別式・告別式終了後
・出棺時
・精進落とし
通夜振る舞いは通夜が終わった後に開かれる食事会、精進落としとは初七日の法要が終わった後に開かれる食事会のことです。
喪主はさまざまな場面で参列者に対してお礼の言葉を伝えますが、特に通夜や告別式中、あるいは式の終了時には、故人にかわって感謝の気持ちを伝えます。
葬儀後の法要・香典返しの準備
葬儀後は、参列者への挨拶まわり、香典返し、四十九日法要の準備などを行います。
参列者への挨拶まわり
葬儀に参列してくれた人や故人がお世話になった職場、病院などに挨拶まわりをします。初七日までに行いましょう。
香典返し
香典返しは、忌明け後(四十九日法要後)2週間以内に行います。葬儀当日に香典返しをする「即日返し」の場合も、香典を高額いただいた人には、差額分相当のお返しを改めてします。
四十九日法要
四十九日法要の場所・日時の調整を行い、参列者に案内状を送ります。人数が少なければ電話で伝える場合も多いです。納骨も行う場合は、当日の流れを事前に確認しておきましょう。
まとめ
喪主は故人の遺志を尊重して決めましょう。遺言書などがない場合は、家族や故人と親交が深かった人が務めます。葬儀の際だけでなく終了後も喪主がやることは数多くあるため、よく話し合って決めることが大切です。
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