弔電のお礼の基本マナーとは?注意点や個人・会社宛の文例、書き方のポイントを解説
お葬式のマナー,葬儀の流れ,葬儀後葬式を執り行う際に、弔電をいただく場合があります。弔電へのお礼は相手にお礼状を出し、気持ちを伝えるのが一般的なマナーです。この記事は、家族の葬式を執り行った人に向け、弔電のお礼について解説します。お礼状を送る際の書き方のポイント、個人・会社宛の文例も解説しているので、参考にしてください。
弔電のお礼の基本マナー
弔電をいただいたときは、お礼をして感謝の気持ちを伝えましょう。ここでは、お礼の基本マナーについて解説します。
弔電を受け取ったらお礼状を送る
弔電とは、遠方に住んでいる、仕事や家庭の都合がつかないなどの理由により、お通夜や葬儀に参列できない人が弔意を表して送る電報のことです。弔電をいただいた際の正式なお礼は、相手方に出向き、直接お礼を伝える方法です。しかし近年では、お礼状を送る方法が一般的なマナーとなりました。
葬儀終了後には、故人が生前お世話になったことへの感謝の気持ちや、葬儀を無事に終えられたことをお礼状にまとめ、送りましょう。
メールはできる限り避ける
日常的に使うことの多いメールやSNSでのお礼は、できるだけ避けた方が無難です。弔電のお礼に使うと、相手に失礼な印象を与えかねません。早く気持ちを伝えたくても、手紙の方が印象はよくなります。ただし普段からメールのみで連絡を取る仕事関係の人には、ビジネスメールでお礼を伝えても悪い印象にはならないでしょう。
親しい相手は電話で伝える方法もある
お礼の方法は、相手との関係性を考慮して選ぶことが重要です。弔電の差出人が親族や友人など、とくに親しい間柄の場合は、電話で伝える方法もあります。その場合は、できるだけ早くお礼を伝えるために、葬儀の次の日に連絡するのがよいでしょう。
弔電のお礼とともに、葬儀が無事に終わったこと、葬儀の様子、遺族が前向きな気持ちでいることを伝えて安心してもらいましょう。電話は一緒に故人との思い出を語り合ったり、少しでも元気な声を伝えたりできることがメリットです。
弔電のお礼にお返しの品物は不要
弔電のみをいただいた場合は、お礼の品物は不要です。お返しをするとかえって相手に気を使わせてしまうため、お礼状のみで気持ちを伝えましょう。弔電とは別に、香典、供物、供花を受け取った場合は、四十九日の法要を終えた忌明けにお返しします。お返しの品物は、3分の1〜半値ほどを目安に選びましょう。
品物付きの電報台紙を受け取った場合も、弔電のみのときと同様の対応で失礼にはなりません。お返ししたい場合は、3分の1〜半値ほどを目安にお返しをしましょう。
お礼状を送るタイミング
お礼状は、葬儀から1週間以内を目安に発送します。いつまでに出すべきであるという明確なルールは存在しませんが、葬儀が無事に終わったことなどを伝える役割があるため、なるべく早く送るようにします。
葬儀を終えたらすぐにお礼状を書くのが理想ですが、葬儀直後は精神的・肉体的な疲労がたまりやすく、お礼状を書く時間が取れないことが少なくありません。葬儀社で対応してくれる場合もあるため、あらかじめ相談しておくとよいでしょう。
お礼状を送る際の注意点
弔電のお礼状には、書き方や記載すべき内容などのルールがあります。ここでは送る際の注意点について解説します。
ハガキや便箋・封筒を使う
お礼状は、ハガキや便箋・封筒を使って送るのが一般的です。弔辞に適した装飾のないフォーマルなものを選びましょう。色味は落ち着いた白地や薄いグレーなどが適しています。事務的な印象になることを避けるため、茶封筒は避けます。
最近は故人の好きだった色やデザインを選ぶ人も増えていますが、奇抜なデザインや色味には注意しなければなりません。とくに目上の人にお礼状を送る場合は、失礼にならないよう色味やデザインに特に配慮しましょう。
毛筆・筆ペン・万年筆で書く
お礼状には毛筆が最も適しています。格式高く、目上の人に送る場合に最適です。ただし毛筆が苦手な人や、時間が取れない人は、筆ペンや万年筆の使用も可能です。ボールペン、鉛筆の使用は避けましょう。パソコンで作成しても失礼にはなりませんが、手書きの方が印象はよく、気持ちが伝わりやすくなります。
句読点なし・縦書きで書く
冠婚葬祭に関わる正式な文書のマナー敏江、「、」「。」といった句読点は使わないことが適切とされるケースがあります。その場合は、改行や文の間にスペースを入れ、読みやすくなるように配慮しましょう。書式は縦書きが基本です。横書きはカジュアルな印象を与えてしまうため、親しい間柄でも避けます。便箋を選ぶ際、縦書きであるのかを確認しておくと安心です。
故人の名前を入れる
誰の葬儀であるのかを明確に示すため、お礼状には必ず故人の名前を入れます。故人が親族の場合は「故〇〇儀」、「亡祖母〇〇儀」のように書きます。会社での葬儀の場合は、「弊社(役職)故〇〇儀」などと、名前の前に役職をつけます。どちらの場合も、より丁寧な書き方とされるため、名前の後に「儀」をつけましょう。
略式のお詫びを記載する
昨今、手紙でのお礼することに問題ありませんが、本来のお礼はお目にかかって伝えるものです。そのため、書面で略式のお礼になったことのお詫びをひと言入れるのが、お礼状のマナーです。「略儀ながら書中にて失礼いたします」「略儀ではありますが書中をもちまして謹んでお礼申し上げます」など、謝罪の文章をひと言入れましょう。
差出人を喪主にする
差出人の名前は、代表として喪主の名前を記載します。多くの弔電は、葬儀の主催者である喪主宛に送られる場合が多いためです。お礼状の最後に日付、ハガキの場合は住所、「喪主〇〇」と書きましょう。喪主以外の人の名前を載せる場合は、連名で書きます。家族ぐるみで仲がよかった場合には、「親族一同」と書けば、家族全員の感謝の気持ちを示せます。
【個人宛】弔電のお礼状の文例
弔電のお礼状は、送る相手に合わせて書きましょう。個人宛に送る場合の文例と、書き方のポイントについて解説します。またここでは句読点を使っていません。使わない際の参考にしてください。
文例
謹啓 このたびは 故 〇〇儀の葬儀に際し ご丁寧な弔電を賜り 誠にありがとうございます
お心遣いに励まされ 葬儀を滞りなく執り行うことができました
生前のご厚情に感謝いたしますとともに
今後も変わらぬご指導いただけますよう お願い申し上げます
本来ならお目にかかってお礼を申し上げたいところではございますが
略儀ながら 書中をもちました謹んで御礼申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
(ハガキの場合)住所
喪主 〇〇
書き方のポイント
冒頭の挨拶には、「謹啓・謹白」を使います。「拝啓・敬具」よりも丁寧な言葉で、セットで使うのがルールです。故人と特に親しかった相手や家族ぐるみで仲良くしていた相手には、喪主名のあとに「親族一同」と入れ、家族全員の感謝の気持ちを伝えましょう。親しい人へのお礼状には、「生前親しくしていただいた〇〇様のお心遣いに 祖父も喜んでいることと思います」などのひと言を添えると、より気持ちのこもったお礼状に仕上がります。
【会社宛】弔電のお礼状の文例
会社宛のお礼状では、複数人向けのお礼状を作成します。文例、書き方のポイントについて解説します。
文例
謹啓 皆様方におかれましては ますますご健勝のこととお慶び申し上げます
このたびは 故 〇〇儀の葬儀に際し 社長ならびに部署の皆様から
心のこもった弔電を賜り 厚く御礼申し上げます
天国の父も 喜んでいることと思います
おかげさまで 葬儀も滞りなく済みましたことをご報告いたします
本来ならば 直接参上して御礼申し上げるべきところですが
略儀ながら 書中にて謹んで御礼申し上げます
謹白
令和〇年〇月〇日
(ハガキの場合)住所
喪主 〇〇
書き方のポイント
基本的なマナーは個人宛と同じです。「皆様方におかれましては ご清祥のこととお慶び申し上げます」など、複数人向けの挨拶文をつけるとよいでしょう。
会社によっては、経費で手配された弔電へのお礼は、口頭のみとしている場合があります。慣習によっても異なりますが、忌引き明けは上司、同僚に挨拶をするのが一般的なマナーです。休んでいる間の仕事をカバーしてくれたお礼とともに、弔電のお礼も伝えましょう。
まとめ
弔電へのお礼は、お礼状を送るのが基本のマナーです。句読点なし・縦書きをするなどのポイントを押さえ、葬儀から1週間を目安に感謝の気持ちを伝えましょう。ただし葬儀後は疲労のピークを迎える人もいるため、葬儀社のサポートが受けられると安心です。
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