教会の葬儀・告別式の特徴 とは|当日の流れやマナー、注意点な ど詳しく解説します
葬儀の流れ,葬儀の種類,お葬式のマナーキリスト教の葬儀に参列したり、葬儀を執り行う場合、何から手を付ければよいのでしょうか
。この記事では、教会(キリスト教)の葬儀や告別式、当日の流れやマナーについて解説しま
す。注意点や葬儀を執り行う側になったらやることなども紹介しますので、ぜひ参考にしてく
ださい。
キリスト教とはどのような宗教か
キリスト教とはどのような宗教なのでしょうか。主な宗派であるカトリックとプロテスタント
について詳しく紹介します。
カトリックとプロテスタントがある
カトリックとプロテスタントは、教えに違いがあります。死生観が異なるため、それぞれに合
った葬儀を行うことが大切です。以下で詳しい特徴を紹介します。
カトリックの特徴
カトリックは、聖書や伝承を神の教えとみなし、法王の考えも神の教えと同等に扱います。儀
式の呼び方は「ミサ」、司祭の呼び方は「神父」、歌の呼び方は「聖歌」です。葬儀を行う教
会は、立派で豪華絢爛な作りになっています。
プロテスタントの特徴
プロテスタントは、聖書のみを神の教えとして扱います。司祭の呼び方は「牧師」、儀式の呼
び方は「礼拝」、歌の呼び方は「讃美歌」です。教会は、オルガンや十字架のみの、シンプル
な作りになっています。
教会(キリスト教)における葬儀の考え方
教会(キリスト教)における葬儀の考え方は、どのようになっているのでしょうか。それぞれ
の違いを詳しく紹介します。
死のとらえ方の違いによって葬儀に対する考え方も異なる
カトリックとプロテスタントは、死生観に違いがあるため、葬儀へ考え方も異なります。
カトリックの場合
カトリックでは、「キリストへの信仰が高く、生前に徳を積んだものは死後蘇る」という死生
観を持っています。そのため葬儀は、「生前の罪を赦し乞い、永遠の命を手に入れる儀式」と
いう位置づけです。葬儀と告別式は、故人が所属していた教会で別々に行われます。
プロテスタントの場合
プロテスタントでは、「神のもとで安らかに眠り、死後は神に仕える存在になる」という死生
観を持っています。そのため葬儀は、「神への感謝や、残されたご遺族や友人・知人への慰め
の機会、もしくは故人との別れの儀式」という位置づけです。カトリックとは異なり、葬儀と
告別式を一緒に行います。
洗礼を受けていないが教会で葬儀を行いたい場合は、プロテスタントで行うことが基本
非洗礼者が教会で葬儀を行いたい場合は、プロテスタントで行うのが基本です。カトリックで
も、一部の教会で非洗礼者の葬儀を認めているところはありますが、さまざまな規律があり、
現実的ではありません。
教会(キリスト教)の葬儀の流れ
教会(キリスト教)の葬儀の流れは、どのようになっているのでしょうか。カトリックとプロ
テスタント、それぞれの流れを紹介します。
原則としてキリスト教の葬儀では「通夜」は行われないが、行う場合もある
キリスト教では、仏教のように通夜を行う習慣がありません。しかし通夜に該当する儀式は、
カトリックやプロテスタントにもあります。呼び方は、カトリックで「通夜の祈り」「通夜祭
」「通夜の儀」「通夜の集い」、プロテスタントで「前夜式」「前夜祭」などです。
国内では、日本独自の形として、キリスト教の葬儀で通夜を行うケースもあります。
遺族は司祭に続いて入場、一般参列者は着席済
キリスト教の葬儀では、司祭の次にご遺族が入場することが多いです。一般参列者よりも早く
ご遺族が入場・着席する仏式とは、大きく異なります。
カトリック、プロテスタントそれぞれに異なる告別式・葬儀の流れがある
カトリックとプロテスタントは、それぞれ告別式と葬儀の流れが異なります。具体的にどのよ
うに違うのか見ていきましょう。
カトリックの流れ
カトリックでは、葬儀と告別式を分けて行います。それぞれの流れは、以下の通りです。
【葬儀の流れ】
1.入堂聖歌と共に、司祭が入場する
2.一般参列者は起立し、出迎える
3.ご遺族と棺が入場する
4.棺を入り口付近に安置する
5.司祭が棺に聖水を注ぎ、祈りをささげる
6.司祭によって開式の辞が述べられる
7.葬儀のミサが開会する
【告別式の流れ】
1.「5」までは葬儀と同じ
2.参列者全員で聖歌を歌い、告別式が開会する
3.故人の経歴やエピソード、弔辞・弔電を紹介する
4.献花を行う
5.喪主の挨拶後、閉会する
葬儀は、司祭が進行を務めます。ミサで行われるのは、言葉の典礼と感謝の典礼です。言葉の
典礼では聖書の朗読が行われ、参列者全員で祈りをささげます。感謝の典礼は、永遠の命を得
るための儀式です。ご遺族が祭壇にパンとぶどう酒をお供えし、教徒が司祭からパン(聖体)
を受け取ります
告別式は、遺族が進行を務めます。参列者が多い場合は、献花の前に最後の挨拶を行い、献花
後そのまま退出するケースが多いです。献花は、喪主・遺族・親族・参列者の順番で行います。
プロテスタントの流れ
プロテスタントは、葬儀と告別式を一緒に行います。それぞれの流れは、以下の通りです。献
花は、牧師・喪主・遺族・親族・信者・参列者の順番で行います。
1.オルガンによって前奏曲が演奏される
2.牧師、棺、喪主、ご遺族の順番に入場する
3.一般参列者は起立し、出迎える
4.牧師が聖書を朗読し、参列者全員で黙とうする
5.全員が起立し、賛美歌を斉唱する
6.牧師が故人の経歴や信仰心を紹介し、信仰心や神についての説教を行う
7.弔辞や弔電を紹介する
8.黙とう後、オルガンによる後奏を聞く
9.牧師が祈りを行い、全員で賛美歌を斉唱する
10.献花を行う
11.ご遺族の挨拶後、閉会する
教会(キリスト教)の葬儀に参列する際知っておくとよいマナー
教会(キリスト教)の葬儀に参列するときは、どのようなことに気をつければよいのでしょう
か。知っておくと役立つマナーを紹介します。
聖歌・讃美歌の斉唱がある
聖歌や讃美歌の斉唱は、紙が配られるためキリスト教以外の人も参加できます。起立して聞く
だけでも問題はないので、歌詞やメロディを知らなくても大丈夫です。強制でもありませんが
、故人を弔う儀式ですので、できるだけ参加することをおすすめします。キリスト教以外の人
が斉唱に参加しても、白い目で見られることはありません。
大事な儀式の1つに「献花」がある
献花は、故人に敬意を表すための重要な儀式です。仏教の「焼香」や神式の「玉串奉奠」に相
当するため、棺だけでなく祭壇にもお花をお供えします。棺をお花で満たす供養法は仏式や神
式でも見られますが、祭壇にお花をお供えするのはキリスト教以外であまりみられません。
献花の手順
献花は、以下の手順で行います。
1.ご遺族に一礼する
2.係りの人から両手で献花を受け取る
3.献花台へ進み、祭壇に一礼する
4.献花後、一礼して黙とうする
5.後ろ歩きで数歩下がり、遺族に一礼して席にもどる
献花を受け取る際は、自分の右側に花びらがくるようにします。このとき、右手のひらを上に
、左手のひらを下に向けましょう。献花する際は、茎側を祭壇に向けて丁寧にお供えします。
服装は一般的な喪服で
服装は、仏式の場合と同様に、黒い服やダークスーツなどを選びます。男性の場合は、ブラッ
クスーツに、黒いネクタイや靴下、白いワイシャツなどを合わせましょう。ネクタイピンやカ
フスの使用は避け、目立たないようにすることが大切です。
女性の場合は、黒のワンピースやアンサンブルに、黒のストッキングを着用します。ハイヒー
ルなどの派手な靴は避け、バッグも黒を基調としたものを選びましょう。アクセサリーは、真
珠のネックレスやイヤリングなどがおすすめです。
ベールや帽子は、ご遺族、ご親族が着用するもの
ベールや帽子、手袋を着用するのは、基本的にご遺族やご親族です。一般参列者には必要ない
ですので、葬儀には持って行かないようにしましょう。ただし参列者が女性のカトリック信者
でかつ、カトリックの葬儀の場合は、参列者であっても黒のベール帽を着用します。
不祝儀の包み方【袋のタイプや、書き方のマナー】
キリスト教での不祝儀は、仏式のような香典ではなく、御花料として包みます。故人との関係
性で包む金額が変わるのは、仏式と変わりません。教会の受付で渡し、仏教の香典返しにあた
るものを、返礼品(御花代のお返し)として頂きます。
以下で、袋のタイプや書き方についても見ていきましょう。
選べる不祝儀袋のタイプ
キリスト教の葬儀では、百合や十字架が印刷された不祝儀袋を使用します。蓮の花の絵が描か
れたものは仏式専用ですので、絶対に使わないようにしましょう。
百合や十字架が描かれた不祝儀袋は、市販されている商品が少なく、それほど流通していませ
ん。お店で見当たらない場合は、蓮の花が入っていない、無地で黒白の不祝儀袋を選びましょ
う。
書き方
不祝儀袋の表書きには、「御花料」もしくは「献花料」と書きます。カトリックでは「御霊前
」、プロテスタントでは「忌慰料(きいりょう)」と記載することも可能です。宗派により禁
止されている言葉もありますので、キリスト教の葬儀ではどちらにも対応できる「御花料」や
「献花料」を使いましょう。
教会(キリスト教)の葬儀に関する注意点
教会(キリスト教)の葬儀では、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。葬儀全般
に関する注意点を紹介します。
お悔やみの言葉の使い方に注意する
キリスト教では、仏教のようなお悔やみの言葉は必要ありません。死後の世界をポジティブな
ものとして捉え、「死」を悔やむ必要がないためです。ただ、中には言葉をかけたいという方
もいるでしょう。
そこで、ここではキリスト教でも使える言い回しを紹介します。使えない言葉も紹介しますの
で、ぜひ参考にしてください。
適した言い回し
教会で使える言い回しは、以下のようなものです。
「〇〇様が神のもとで安らかに眠られることをお祈りしております」
「〇〇様が穏やかで安息な眠りにつかれますように」
「〇〇様の魂が、神のもとで永遠の安息を得られますように」
適さない言い回し
教会で使ってはいけない言い回しは、以下のようなものです。
「この度は、まことにお悔やみ申し上げます」
「〇〇様の訃報に際し、ご冥福をお祈りいたします」
弔電も、適した言い回しで送る
弔電も、キリスト教に合った言いまわしで送りましょう。具体的には、以下のようなものです
。
「〇〇様の訃報に接し、痛惜の念に堪えません。安らかな安息につかれますよう心からお祈り
申し上げます。」
数珠は使わない、参列者が仏教徒であれば十字架も不要
教会の葬儀では、仏式のような数珠は使いません。間違えて持って行かないようにしましょう
。数珠に似た道具として十字架がありますが、仏教徒であればそれも不要です。
十字架を使うのはカトリックの葬儀のみで信者の方のみ
十字架を持参するのは、カトリックの葬儀でかつカトリック信者のみです。自身が該当しない
場合は、何も持たず手ぶらで葬儀に参列しましょう。
お焼香(や玉串奉奠)はない
教会の葬儀では、お焼香や玉串奉奠がなく、代わりに「献花」を行います。花を祭壇にお供え
することが「お香」や「玉串」の代わりとなるのです。
通夜振る舞いはない
教会の葬儀は、通夜がないため、通夜振る舞いもありません。ただし日本では、前夜祭の後に
茶話会が開催されることも多くなっています。
茶話会では、お菓子や紅茶などの、軽食もしくは飲み物が出されます。仏式のように、お酒を
飲むことはありません。
供花を送ってもよいかは、確認する
教会の葬儀でも、供花を送ることは可能です。ただし教会のスペースに入りきらなかったり、
教会が独自でお店に依頼したりするケースがあるため、購入する際は事前に確認しましょう。
【参考】キリスト教の葬儀を行う場合には
キリスト教に入信されている場合は、キリスト教の葬儀を行う必要も出てくるでしょう。洗礼
はまだでもキリスト教の葬儀を行いたい方や、葬儀を行う教会を自由に選びたいという方もい
るはずです。
万が一の際にも柔軟に対応できるように、葬儀を行うための各種手配について知っておきまし
ょう。生前準備の場合は特に、終活の一環として、周囲に自分の希望を伝えることが大切です
。
キリスト教の葬儀を行う場合の各種手配
病院で死亡が確認されたら、葬儀社へ連絡し、寝台車でご遺体を運びます。手続きなどで手間
取らないために、安置先を事前に決めておくことが大切です。葬儀社には、キリスト教徒であ
る旨をしっかりと伝えましょう。
キリスト教の葬儀については、教会と相談してさまざまなことを取り決めます。
葬儀社に相談する
葬儀社は、キリスト教の葬儀の実績があるところを選びましょう。日本ではキリスト教が一般
的ではないため、葬儀社によっては受け付けてくれない場合もあります。
まとめ
教会の葬儀は、カトリックとプロテスタントで葬儀の流れが異なります。死生観もまったく違
うため、事前にしっかりとマナーや作法について確認してください。仏式に慣れている方は、
特に間違えやすいですので注意しましょう。
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