遺言信託とは?サービス内容やメリット・デメリットなど詳しく解説
終活・準備,葬儀後遺言信託とは、相続をスムーズに進めるために信託銀行が提案するサービスです。近年、年齢を重ねセカンドライフのスタートに、終活に取り組む人が増えています。この記事では、遺言の執行方法を検討している人向けに、遺言信託について紹介しています。遺言信託とは何か、メリット・デメリットなどを詳しく紹介しますので、参考にしてください。
「遺言信託」には2種類ある
「遺言信託」には、2種類の意味があります。ひとつは、法的な意味です。もうひとつは、信託銀行が行うサービスを意味します。この記事では、信託銀行のサービスである「遺言信託」について、主に解説します。
遺言信託とは?
法的な「遺言信託」とは、遺言により信託行為を第三者に委託することです。信託銀行が行う「遺言信託」は、顧客の遺言書の作成を支援して保管します。そして、相続を実行する「遺言執行者」になります。
信託銀行は、信託業と銀行業を共に営んでいます。信託業とは、顧客の貸付信託や土地信託など資産を託されて、長期にわたり運用していく事業です。遺言執行者とは、遺言の内容を実行して相続をスムーズに進めるために、必要な手続きを行う人のことです。
遺言信託サービスの内容
ここでは、民間サービスである信託銀行のサービスについて解説します。
遺言の作成に関する相談
財産の相続をどのようにしたらよいか、遺言の内容や遺言書の作成について自分では判断できない場合は、信託銀行に相談するとよいでしょう。信託銀行では、さまざまなサービスを提案しています。
公正証書遺言の作成・保管
公正証書遺言とは、遺言者が遺言内容を公証役場の公証人に伝えて、公証人が遺言内容を公正証書として作成してもらう遺言書のことです。
遺言の内容が決定したら、信託銀行提携の弁護士や税理士などの専門家にアドバイスを受けながら、公正証書遺言を作成します。作成された公正証書遺言は、執行されるまで信託銀行が保管します。
定期的な照会
信託銀行は、定期的に照会を行うので、その都度、遺言の内容を見直すことができます。資産は保持されているか、相続人が生存しているかなどについて確認して、何か変化がある場合には、遺言の内容を修正できます。
遺言執行
信託銀行に遺言者が亡くなった連絡が入ると、公正証書遺言に基づいて、信託銀行は遺言の執行を行います。不動産の登記や預金などの名義変更などを行い、相続人などに財産分与されます。
遺言信託を利用した方がいいケースとは?
ここでは、遺言信託サービスの利用をおすすめしたい事例について紹介します。
遺言作成~相続を専門家に任せたい場合
遺言を執行するためには、専門的な知識や経験が必要となり、時間と労力がかかります。信託銀行に任せることで、財産管理に関する経験や知識に基づいた専門的なアドバイスや対応が期待できます。
相続トラブルを防ぎたい場合
財産などの相続は、トラブルになりやすいので、専門家に遺言の執行を任せることで安心感を得られます。相続トラブルになった場合、信託銀行は対応できませんが、弁護士や税理士を紹介してくれもらえることもあります。
遺言信託のメリット
遺言信託を利用することのメリットについて、解説します。
遺言作成や執行に関して安心感を得ることができる
遺言書を作成する前に、どのような内容の遺言にするとよいかなど、相談にのってもらえます。また、意思に沿う内容の遺言書を正確に作成するために、信託銀行提携の弁護士などからアドバイスを受けられます。
個人で対応する弁護士や税理士とは異なり、信託銀行は法人の金融機構のため、何かあった場合に選び直す必要がなく安心です。また、確実な遺言執行を行うため、安心感を得られるでしょう。
資産内容に基づいたアドバイスを受けられる
信託銀行の本業は、顧客の資産を運用することです。そのため、遺言に記された資産内容を有効に活用できるように、アドバイスも行います。また、資産状況や相続人に何かあった場合にも、定期照会による見直しができるため安心です。
遺言信託のデメリット
遺言信託のサービスを利用することのデメリットについて、解説します。
費用がかかる
遺言信託を利用すると、さまざまな手数料がかかります。基本料金の他にも、公正証書遺言書の保管料が毎年徴収されます。遺言の内容変更や、遺言を執行していく場合にも、手数料が発生します。多くの不動産を保有する場合には、百万円単位の手数料がかかる場合もあるため、多額の費用が必要になります。
遺言信託にかかる3種類の手数料
・基本手数料(定額)
遺言信託を利用するための契約金です。多くの信託銀行では、低額な基本手数料プランと、高額な基本手数料で相続人の負担が軽くなるプランがあります。
・年間保管料(定額)
遺言内容が執行されるまでの間、遺言書を保管する費用です。執行されるまでの期間が長くなれば、保管料もかかります。
・遺言執行手数料(遺産総額に一定の割合を乗じた手数料)
保有している遺産総額により異なります。不動産が多い場合は、遺言執行するために手続きが多いため、手数料も増額されます。
対応できないケースもある
相続トラブルが想定されるケースへの対応
遺言信託を利用する前から、相続人同士でトラブルが起きている、今後トラブルが予想される場合には、信託銀行では対応できませんので注意が必要です。
自筆証書遺言への対応
遺言信託で対応できる遺言書は、内容や手続きで信託銀行が関わった公正証書遺言のみです。自分で書いた自筆証書遺言への対応はしていません。
財産に関する遺言の執行以外の対応
信託銀行ができることは、財産に関する遺言の執行に限られています。遺言による隠し子の認知や、相続人の排除などについて家庭裁判所へ請求するなど、身分に関する事項についての対応はできません。
相続税の申告代行
信託銀行では、税務に関する対応はできません。相続税の申告代理や税務書類の作成などは、別途税理士に依頼する必要があります。信託銀行が税理に関する業務を行うと、税理士法違反となり、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
まとめ
遺言信託は、顧客の資産を長期にわたり運用していく信託銀行が行っています。財産の相続があり遺言書の作成について相談したい人や、遺言の執行をスムーズに行いたいと考えている人は、遺言信託がおすすめです。
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また、葬儀後のサポートも行っていますので安心です。遺言など終活を始めようと考えている方は、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。
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